体幹トレーニングはもう広く一般に知られた言葉で、何となくどんなトレーニングか分かる方も多いと思います。
しかし、専門家目線で言えば誤った認識がされていることも多いと感じます。
体幹トレーニングは、自宅でツールもなく出来る非常に便利なトレーニング方法です。
一人で出来て、ジムに行かなくても出来るのは非常に便利ですが、最初から一人で体幹トレーニングをすることはおすすめできません!
その理由を、パーソナルトレーナーの視点で解説していきます。
体幹トレーニングの効果
まずは体幹トレーニングとは何かについて解説していきます。
これが分かると、一人でやるのが難しい理由も分かります。
体幹トレーニングとは、文字通り体幹を鍛える為のトレーニングです。
体幹とは、身体の胴体部分のことです。
体幹の定義はものによってやや異なりますが、「身体の手足と頭部を除く部分」と定義されることが多いと思います。
簡単に言えば胴体ですので、胴体という認識で問題ありません。
この体幹を鍛えるトレーニング全般を体幹トレーニングと言います。
その為、かなり広い概念の言葉です。
ではなぜこんなに体幹トレーニングが流行っているのかというと、体幹トレーニングの効果が非常に高いからです。
体幹トレーニングの効果は、様々ですが主な効果はこちらです。
・姿勢改善
・腰痛や肩こりなどの改善、予防
・膝や股関節などの痛みの改善、予防
・スポーツパフォーマンスの向上
・ダイエット
まずは体幹トレーニングの大きな効果として、姿勢の改善があります。
体幹は文字通り体の幹となる部分で、この体幹が弱いと姿勢を維持する能力が低いと言えます。
その弱った体幹を鍛えることで、姿勢が改善します。
姿勢が改善することで、身体の不調も改善します。
特に多くの人が悩まされる肩こりや腰痛などは、姿勢の悪さとの関連が指摘されています。
スポーツパフォーマンスの向上にも体幹トレーニングは有効です。
サッカーやラグビーなど相手選手とぶつかることが多いスポーツでは、当たり負けしない為には体幹の筋力が不可欠です。
野球のバットスイングや、ゴルフのスイングなどで軸がぶれない為にも体幹の筋力が必要です。
さらに、先ほどの痛みの改善・予防という観点からも、アスリートには体幹トレーニングが必要です。
このような理由で、スポーツを中心に体幹トレーニングが注目されていった経緯があります。
また、ダイエットにも体幹トレーニングが有効です。
ダイエットと体幹トレーニングと聞いてもなかなかイメージしにくいと思うので、詳しく解説していきます。
ダイエットに体幹トレーニングが効果的な理由を解説
体幹トレーニングを数多くやっても、残念ながらカロリー消費、脂肪燃焼という点からすると効果は少ないです。
むしろ同じ時間をランニングしたほうがエネルギーを消費するのには効果が高いです。
では、何故ダイエットするときに体幹トレーニングをお勧めするのでしょうか?
その理由は大きく2つあります。
1.インナーマッスルが体を中から引き締め、お腹が凹む
2.基礎代謝が上がり痩せやすい体質になる
順番に見ていきましょう。
インナーマッスルが体を中から引き締め、お腹が凹む
お腹が出ているのは、単純に脂肪が付いているだけではありません。
体幹のインナーマッスルがうまく働くことができないと、肋骨と骨盤の位置がずれてしまい背骨を正しい状態に保つことができず、クニャッとした状態になります。そうすると内臓が圧迫されてしまいます。
背中側には背骨があるため、圧迫された内臓が逃げる場所はお腹側になります。
こうなると見た目としてはお腹がポッコリ出てしまい太って見えてしまうのです。
インナーマッスルの中でも特に腹横筋という筋肉は天然のコルセットといわれ重要です。腹横筋は息を吐くときにお腹をへこませる働きをしています。
また、腹横筋など体幹のインナーマッスルは姿勢を保持する役目も担っています。そのため、姿勢不良が続くとインナーマッスルの働きが弱くなり、内臓が圧迫されお腹が出てしまうのです。
つまり、
不良姿勢→インナーマッスル機能低下→肋骨・骨盤の位置異常→内臓圧迫→ポッコリお腹の完成・・・
となってしまいます。
ここで体幹トレーニングを取り入れると
体幹トレーニング→インナーマッスル機能正常化→不良姿勢改善→肋骨・骨盤の位置正常化→内臓の位置の正常化→お腹が凹む!
となるのです。
基礎代謝が上がり痩せやすい体質になる
姿勢が悪く内臓が圧迫されていると、代謝機能が低下することが分かっています。近年では物理的な圧迫が癌細胞を作り出す原因とも言われています。
代謝機能が低下するということは日常での消費カロリーが低下するので、痩せにくくなってしまいます。
体幹トレーニングにより、インナーマッスルが正常に働くと内臓の位置が正しい位置に保たれていきます。すると代謝機能が向上し、日常での消費カロリーも増えるので太りにくい体質になります。
つまり、
体幹トレーニング→姿勢改善→内臓位置正常化→内臓機能正常化→代謝機能正常化→太りにくい体質
の順番ですね。

bright flamy symbol on the black background
ダイエットに効果的なその他の理由
前述のとおり、体幹トレーニングはそれ自体の脂肪燃焼効果はあまり高くありません。
脂肪燃焼にはランニングやウォーキングを長時間続けることをお勧めします。
こういった運動は姿勢が悪いと、間違った体の使い方になるため、一部の筋肉に過度に負荷がかかりやすくなります。
そのため短時間で疲れてしまったり
無理して我慢していると痛みなることも少なくありません。
ダイエットを決意してジョギングを始めたら膝や腰が痛くなった経験がある方も多いと思います。
長時間のダイエットのための運動に耐えられるカラダづくりのためにも、まずは体幹トレーニングをお勧めします。
また、ダイエットには食事改善によるカロリーコントロールが必要です。
上で述べたように、体幹トレーニングを適切に行いインナーマッスルの働きが正常化されると、内臓の働きも正常化します。
内臓の機能が正常化してくると体は過度な食事をしなくて良くなります。
つまり、適切な食生活に切り替えるチャンスになります。
さらにしっかりと基礎代謝を上げるためにはインナーマッスルだけでなくアウターマッスルの維持も必要です。アウターマッスルとは、インナーマッスルとは反対に体の表面に出てきている大きな筋肉のことです。
ダンベルやバーベルを使用したいわゆる筋トレで鍛えることになります。
このアウターマッスルを鍛える際も、インナーマッスルが正常に働き、筋肉のバランスや姿勢が整った状態で行うとより効果的に鍛えることができます。
このように、体幹トレーニングは適切に行えばダイエットにもとても効果的な種目になります。
体幹トレーニングの方法
では、実際にどのようにして体幹トレーニングを行うのかを方法を見ていきます。
体幹トレーニングはトレーニングの種類の総称ですので、「コレ」というやり方は決まっていません。
ただ、体幹トレーニングのやり方全般で重要なポイントがあります。
体幹トレーニングのポイントはこちらです。
・正しいフォームで行う
・適切な負荷で行う
特に重要なポイントが、正しいフォームです。
例えば、体幹トレーニングで最も有名なプランクというエクササイズがあります。
体幹トレーニング=プランクと思っている方も多いくらいの有名な体幹トレーニングです。
このプランクのフォームのポイントはこちらです。
・肩から足までを一直線に保つ
・顎を引き背中から後頭部までを一直線に保つ
さらにプランクから片足、片手を伸ばすバリエーションの場合のポイントはこちらです。
・重心が左右、前後に過度にずれないようにする
・骨盤の回旋(ひねり)が入らないようにする
多くの場合、大きく横に重心がずれた状態で骨盤がひねられた状態で行っています。
ただ、ここには大きな問題があります。
それは、体幹トレーニングをやっている本人ではフォームがどうなっているかがよく分からないということです。
特に運動初心者では、身体の感覚が鈍いですので分かりにくいです。
「骨盤がまっすぐになっているか」などの感覚は、運動をするにつれて鋭くなっていきます。
ピラティスやヨガを長年やっている人は、このような感覚が非常にいいです。
その場合は、一人で体幹トレーニングをやってもある程度の効果が見込めます。
しかし、運動初心者が家で動画を見ながら体幹トレーニングをしたところでこのフォームが崩れるのは間違いありません。
これが、手軽にできる体幹トレーニングの落とし穴です。
体幹トレーニングはパーソナルトレーニングで行うべき理由
ではどのようにして体幹トレーニングを行えばいいかというと、専門家の指導の下行うことです。
それが、体幹トレーニングはパーソナルトレーニングで行うべき理由です。
・どのようなフォームが正しいのか?
・自分が正しいフォームで出来ているのか?
・身体の位置感覚など運動感覚が良くなっているか?
このあたりを身に付けないと、どれだけ頑張ってもなかなか効果は出ません。
まずは専門家の指導の下、体幹トレーニングのやり方やコツを身に付けてから自宅で行うのがベストな方法です。
パーソナルトレーニングでは、このような体幹トレーニングの指導を行います。
ウェイトトレーニングなどを我流でやると怪我をしやすいですが、体幹トレーニングではそこまで怪我のリスクはありません。
ただし、我流の体幹トレーニングの効果は低いと思った方がいいです。
体幹トレーニングをがんばっているけどなかなか効果が出ないという方は、ぜひ一度パーソナルトレーニングをお試しください!
コメント