パーソナルトレーニングで肩こりを改善する方法をご紹介します。
パーソナルトレーニングでは姿勢の改善や身体の不調の改善ができます。
その中でも、肩こりに悩まされる方は非常に多いです。
特にデスクワーカーにとっては、程度の差はあっても誰もが悩まされるのが肩こりだと思います。
国民生活基礎調査によると、肩こりに悩まさる人は日本だけで数千万人規模になると言われています。
そんな肩こりをパーソナルトレーニングで改善する流れを解説します。
肩こりの原因
初めに肩こりの原因について見ていきましょう。
肩こりの原因とは?
まず、肩こりの症状をまとめてみたいと思います。一口に肩こりと言っても、首が痛む人、背中が痛む人、張っている感じがするだけの人もいれば、重たい感じがする人や頭痛や吐き気を感じる人まで人によって痛みの程度や感じる場所、肩こりに付随して起きる症状まで様々な悩みがあると思います。文章にすると、「首すじ、首の付け根から肩や背中にかけて、張っている、凝っている、重たい、痛いなどの感じがあり、頭痛や吐き気を伴う場合もある症状」といったところでしょうか。
このように、様々な症状がある肩こりですので、問題があると考えられる筋肉もたくさん挙げられます。
代表的な筋肉は
・僧帽筋
・胸鎖乳突筋
・脊柱起立筋
・斜角筋
・菱形筋
・肩甲挙筋
・前鋸筋
・小胸筋
などが挙げられます。
これらの筋肉は大きく3つの働きがあります。
①頭を支える
②肩(肩甲骨)を動かす
③呼吸の補助をする
それぞれの筋肉を働きによってグループ分けをすると以下のようになります。
①頭を支える
僧帽筋
胸鎖乳突筋
脊柱起立筋(特に頸部)
斜角筋
②肩(肩甲骨)を動かす
僧帽筋
菱形筋
広背筋
肩甲挙筋
前鋸筋
小胸筋
③呼吸の補助をする
斜角筋
小胸筋
前鋸筋
※筋肉は一つの働きしかしないという訳ではないので、2つのグループに属する筋肉もあります。
つまり、肩こりは頭を支える筋肉に過度な負担がかかる、肩甲骨の動きが悪くなる、正しい呼吸ができなくなる、などの原因から上で挙げた筋肉に負担がかかったり固くなることが原因として考えられます。
それでは、次により細かく頭を支える筋肉に過度な負担がかかる、肩甲骨の動きが悪くなる、正しい呼吸ができなくなる原因をみていきたいと思います。
肩こりの原因①ストレス
まず考えられるのが「ストレス」です。
ビジネスパーソンは仕事でも家庭でも様々なストレスにさらされているかと思います。
人間はストレスを感じると防衛反応として体に力をいれ、体を丸めようとします。
体を丸めようとすると、背中は丸まり肩はすくんでしまい、肩甲骨を動かす筋肉が固まり動きが悪くなります。また、力が入るので、余計に筋肉に負担がかかってしまいます。
さらに、ストレスを感じると交感神経が優位に働くので、呼吸が浅く早くなっていきます。すると、本来呼吸をする際にメインで働く筋肉がうまく働かなくなり、上で挙げた呼吸の補助をする筋肉をより使おうとして負担がかかっていきます。
さらに、交感神経が優位に働くという事は筋肉により力が入りやすくなるので、さらに余計に力が入り筋肉が固くなってしまうという悪循環に陥ってしまいます。
肩こりの原因②姿勢不良と血行不良
他に考えられる原因として「姿勢不良」があげられます。
特にビジネスパーソンの悩みの一つであろう猫背は肩こりに大きく関わってきます。
デスクワーカーの猫背の特徴として、頭が前に出る、背中が丸まる、肩がすくむという点が挙げられます。
頭が前に出ると、体重の10%ほどの重さがあるとされる頭を支えるため、頭を支える筋肉に余計な負担がかかります。さらに、背中が丸まり肩がすくむと、肩甲骨が動かなくなり、肩甲骨を動かす筋肉が固まってしまいます。
また、背中が丸まり肩がすくむと肋骨の可動性も失われていきます。肋骨の可動性が失われると胸が広がらず、うまく呼吸ができなくなります。すると、上で述べたように呼吸の補助をする筋肉に負担をかけてしまうということになります。
また、特に女性に多く見られる原因として「血行不良」もあげられます。
女性の場合、男性に比べ筋肉量が少ないので、筋肉の働きの一つである血管のポンプ作用が弱いため、血行不良になることが多いです。血行不良になると、血管を通して老廃物を流すことが難しくなり、老廃物がたまることでむくみや凝りを感じる場合があります。
また、血行不良からくる冷え性が原因で
体が冷える→体に力が入る→姿勢が縮こまる→肩甲骨を動かす筋肉が固まる→肩が凝る→筋肉が固まることで血管のポンプ作用がさらに悪くなる→より血行不良になり冷え性が悪化する・・・
といった悪循環に陥ってしまうことが多く見られます。
上で挙げた原因や筋肉はほんの一例で、実際にはもっといろいろな筋肉が様々な原因が重なって肩こりとして症状に表れてきます。
それでは、次からは改善方法について見ていきます。
パーソナルトレーニングで肩こりを改善する方法
パーソナルトレーニングで肩こりを改善する方法は、大きく2通りに分かれます。
1つは、姿勢の改善です。
デスクワークが多い人は、猫背などの姿勢の崩れが原因で肩こりになっている人が多いです。
猫背のような姿勢になると、肩回りの筋肉が過度に引っ張られたり短縮したりして、筋肉のバランスが崩れます。
この筋肉のバランスの崩れが、肩こりの原因になります。
最近では猫背だけではなく、「スマホ肩」と呼ばれるスマホの使い過ぎなどで肩が内巻きになる巻き肩の人も増えています。
これも猫背と同様に、首肩回りの筋肉のバランスが崩れて肩こりの原因となります。
このような姿勢を改善することで、肩こりの根本的な改善に繋がります。
2つ目は、肩の動きの改善です。
そもそも肩関節は、大きな動きをする為の関節です。
腕を回す、ぶら下がる、物を使うなどの様々な動作をする目的で発達した関節です。
しかし、現代の日本人の生活習慣ではこの肩が大きく動くことは少ないです。
毎日木登りをして、4つばいで雑巾がけをしてという生活をしている人はほぼいないと思います。
多くの方はパソコンやスマホを使うような、身体の前や下に固定された状態で生活をしています。
これはデジタル機器に限らず、料理や読書、字を書く時も同じです。
このような生活習慣では、肩の柔軟性は大きく低下してしまいます。
そうなると、特定の筋肉だけを使いほとんど使われないような筋肉も出てきます。
このような筋肉のアンバランスが、肩こりの原因になります。
身体の構造で言えば、このような動きの問題も姿勢の問題もほぼイコールです。
姿勢が崩れれば動きも悪化しますが、ここでは分かりやすく姿勢と動きを分けてご紹介しました。
肩こり改善に効果的な筋トレ
では、このような姿勢と動きをどのように改善していくかを解説していきます。
姿勢の改善に関しては大きく2通りの方法があります。
1つは弱くなった筋肉を鍛える筋トレ、もう1つは柔軟性の低下に対するストレッチです。
※姿勢改善については、こちらで解説しています。

こちらでは、肩こり改善に効果的な筋トレをご紹介します。
肩こりで鍛えたい筋肉は、2か所あります。
1つは体幹です。
一見、肩こりとは全く関係の無さそうな体幹ですが、実は深い関係があります。
肩や首のコリは、背骨の歪みが原因で起こりやすくなります。
背骨の歪みが、猫背やスマホ肩の原因にもなります。
背骨の歪みを整えるには背骨の下部の方、つまり体幹のトレーニングが必要になります。
2つ目は肩回りの筋肉で、特に肩甲骨周囲の筋肉です。
肩甲骨は、肩の動きで特に重要な働きをします。
肩甲骨には多くの筋肉がついていますが、肩の動きが日常的に小さいと肩甲骨周りの筋肉は弱ります。
その肩甲骨周りの筋肉を鍛えることで、肩の柔軟性もよくなり姿勢も改善します。
それでは、肩こり改善の為の筋トレについてもう少し詳しく見ていきましょう。
肩こり改善の為の筋トレ
上で説明したように、肩こり改善には体幹や肩甲骨周辺の筋肉を鍛える必要があります。
しかし、肩こりに対してしっかり効果を出すためには闇雲にトレーニングを行えば良いという訳でもありません。
肩こり改善に効果的な筋トレ方法
筋トレというと、ベンチプレスのようなマッチョ化する為のトレーニングというイメージが強いと思います。
もちろんそのような目的で筋トレをすることが多いですが、筋トレ=重たい重りを使わないといけないということではありません。
肩こり改善はマッチョになる必要はなく、むしろ胸の筋トレを下手にやると肩こりを助長させることもあります。
肩こり改善など身体の機能を高める為の筋トレでは、筋肉を大きくする目的ではなく弱った筋力を戻すことが目的です。
その為、負荷は軽めで行うことが多いです。
ただ、弱っている筋肉ですので軽い負荷でもキツイトレーニングになることが多いです。
そんな肩こり改善の筋トレで主に鍛えたい部位は、背中・体幹・股関節などです。
猫背のような背中が丸まった姿勢では、肩こりになりやすいですが、この姿勢を改善するには背中の筋トレが有効です。
背中の筋肉が伸び切って弱化していることで猫背になりますので、背中の筋肉を鍛えて姿勢を改善します。
体幹は姿勢を改善する上では必須項目のトレーニングと言えます。
体幹は文字通り身体の幹ですので、身体を支える為にはある程度体幹の筋力が必要です。
しかし、デスクワークなど長時間の座り姿勢は身体を支える必要がない姿勢ですので、この体幹の筋力がどんどん落ちていきます。
その結果姿勢が崩れますので、体幹の筋トレで姿勢を改善すると肩こりの改善にも繋がります。
同じような理由で、股関節周りの筋力不足でも姿勢が崩れますので、股関節周りの筋肉を鍛えることで姿勢が改善し、その結果肩こりが改善していきます。
このように、背中・体幹・股関節など様々な部位の筋トレが必要ですが、どの部位の筋トレが必要かは人によって異なります。
それは姿勢が崩れる原因が、人によって違うからです。
パーソナルトレーニングでは、姿勢の崩れる原因まで特定してオーダーメイドのトレーニングメニューを作成するので効果的に肩こりを改善させるプランを組めます。
肩こり改善に効果的なストレッチ
肩こり改善には、ただトレーニングをするだけではなくてストレッチも必要です。
特に長時間座りっぱなしの人、デスクワークが多い人は筋肉が凝り固まっています。
肩こり改善のストレッチも様々な筋肉に対して行うべきですが、ここでは重要な2か所をご紹介します。
1つ目は、股関節周りの筋肉です。
股関節は肩こりに全く関係が無さそうですが、姿勢の土台になる部位です。
股関節周りの筋肉がうまく働かなくなると、姿勢が崩れて肩こりの原因になります。
長時間座り続けると、股関節周りの筋肉が凝り固まってしまいます。
股関節周りのストレッチを行うことで、姿勢が改善されて根本的な肩こり改善に繋がります。
2つ目は、肩回りの筋肉です。
特に肩の前側、胸の筋肉が肩こりの人は硬くなります。
肩こりのマッサージではうつ伏せでやることが多いと思いますが、うつ伏せのマッサージではこの胸の筋肉の硬さはあまりとれません。
胸の筋肉の柔軟性を向上させるためのストレッチを行うと、肩の位置が正しい位置に戻り、猫背や巻き肩などの姿勢が改善していきます。
特にデスクワークが多い肩こりの方には、この胸周りの筋肉のストレッチは必須と言えます。
肩こり改善に効果的なストレッチ方法
肩こり改善に効果的なストレッチ方法としては、2通りの方法があります。
1つは、肩こりで固まりやすい筋肉へのストレッチ方法で、もう1つは肩こりに繋がりやすい姿勢の崩れに対して効果的なストレッチ方法です。
肩こりで固まりやすい筋肉は、肩回りの筋肉です。
胸の筋肉、腕の筋肉、首の筋肉などが凝り固まることで肩こりに繋がると考えられます。
このような筋肉のストレッチが、肩こりを直接的に改善する方法です。
パーソナルトレーニングのレッスン後、すぐにその場で効果が感じられるようなストレッチになります。
もう1つは、姿勢の崩れに対するストレッチです。
長時間のデスクワークが多いビジネスマンでは、姿勢が崩れていることがほとんどです。
長時間座ることで固まってしまう筋肉は、先ほどの上半身の胸や腕、首などの筋肉があります。
ただ、上半身だけではなく下半身の筋肉にも影響が出ます。
座っている時は、股関節が90度曲がった状態です。
そうなると、股関節の前側の筋肉が凝り固まります。
この股関節の前側が痛くなるというケースは少ないですが、それが原因で姿勢が崩れる人は大勢います。
また、お尻の筋肉が圧迫されることでお尻の筋肉も凝り固まります。
このあたりは、腰痛や坐骨神経痛(正確には坐骨神経痛に似た症状)の原因にもなります。
肩こりと腰痛を同時に抱えている人も多いと思いますが、それは遠い原因に関してはどちらも似ているからです。
このような原因に対しても、ストレッチが有効です。
股関節の前側の筋肉のストレッチ、お尻の筋肉のストレッチなどをすることで姿勢の改善に繋がります。
姿勢の崩れは、猫背に代表されるように上半身に影響が出ることが多いですが、その原因は骨盤などの下半身にあることが多いです。
一見肩こりには何も関係がないように見えますが、肩こりを改善する為には下半身のストレッチも必要です。
肩こりの改善には筋トレとストレッチの両方が必要
このように、肩こりの改善にはただストレッチだけ、ただ筋トレだけではなかなか改善は難しいです。
パーソナルトレーニングでは、ストレッチも筋トレも両方行いますので効果的に肩こりを改善出来ます。
さらに、肩だけにアプローチするのではなく股関節周りや体幹などの根本的な原因となる部位にまでアプローチ出来ます。
今までストレッチだけ、マッサージだけ、筋トレだけなど部分的な取り組みで肩こりが改善しなかった方、一時的に良くなるけど根本的には解消しなかったという方にはパーソナルトレーニングでの肩こり改善がおすすめです!
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